体も心も自分じゃない。本来の自分を覆う5つの鞘(パンチャコーシャ)
ヨガでは、自分という存在を構成する5つの鞘(パンチャコーシャ)という考え方があります。本来の自分(アートマン、真我)を中心にいて、その周りを5つの鞘が覆っています。
アンナマヤ・コーシャ(食物鞘)
一番外側にあるのがアンナマヤ・コーシャ、肉体です。これはイメージしやすいですよね。食べたものによって作られる体、外界と自分の接点であり、外界と自分を分かつ線でもあります。
プラーナマヤ・コーシャ(生気鞘)
次にプラーナマヤ・コーシャ、目に見えない肉体です。呼吸や消化、排泄など、体外から取り入れたものを体外へ放出する器官のことを指します。
マノマヤ・コーシャ(意志鞘)
マノマヤ・コーシャ、心の機能です。私たちは外からの情報によって心が反応します。晴れれば嬉しいし、雨が降れば鬱屈とした気持ちになったりもします。
ヴィジュナーナマヤ・コーシャ(理知鞘)
ヴィジュナーナマヤ・コーシャ、理性です。感情に振り回されるだけではなく、理性を働かせて自分をコントロールすることができます。雨が降ったとしても、「くよくよしてても仕方ない、本でも読んで勉強しよう」といった具合です。
アーナンダマヤ・コーシャ(歓喜鞘)
アーナンダマヤ・コーシャ、喜びです。本来の自分(アートマン、真我)は何もなくってすでに喜びに満ち満ちている存在であると考えられているため、一番アートマンに近いアートマン・コーシャは喜びを感じやすいものです。
まとめ
細かなところで理解が難しい部分はあるものの、大まかには自分を構成する5つの鞘(層)のイメージはついたんじゃないでしょうか。肝心なのは、5つの鞘を磨いてクリアにして、本来の自分(アートマン・真我)が見えるようにすることです。
本来の自分(アートマン・真我)は、地位や名声、お金など持っていなくてもただただ喜びに満ちている存在です。なのに私たちが苦しいと感じるのは、5つの鞘のどこかが曇っているからだ、というのがヨガの考え方です。
日常生活の中で体と心を磨き続ければ、喜びを感じやすい自分を手にすることができるかも?