ヨガ僕

~ヨガは僕にとって欠かせない~

心の構成要素

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心はヴルッティ(考えの動き)の集まったものです。

心晴れやかで人生を素晴らしく思える日もあれば、自分が地獄のどん底にいるような絶望的な気持ちになる日もあります。過去の失敗を思い出しては自信をなくしたり、未来に不安を感じて前向きになれないこともありますよね。

しかし、それはそもそも心が揺れ動く性質を持っているから当たり前のことなのです。インドの経典では、その特性と働きによって心を4つの側面で分けます。

心の機能① マナス(感情、ゆれる)

心は喜怒哀楽の感情を持っていて、外の世界の情報をきっかけにゆらゆらと揺れ動き続けます。だからこそ私たちは世界を豊かな感情をもって楽しみ味わうことができるのですが、負の感情に支配されてしまう恐れもあります。

心の機能② ブッディ(知性)

外からの情報をそのまま近くするだけではなく、過去の記憶と照らし合わせて分析・判断する機能があります。

心の機能③ アハンカーラ(自我意識)

自分についてのアイデンティティ。親である自分、○○社の社員である自分、○○大学出身の自分、意志の弱い自分。自分自身をこういう人間だと考えてしまいます。

心の機能④ チッタン(記憶)

記憶するという機能です。心には記憶の貯蔵庫があり、過去に経験したことがすべてそこに仕舞われています。仕舞うだけではなく、記憶を呼び起こす機能もチッタンです。

 

例えば、甘い匂いが鼻をかすめたとします。

 

「あ、なんだかいい匂いがする、ワクワクするな(マナス)」

「これは、焼き上がりのパンの香りだ!(ブッディ)」

「私はパンに目がないんだよね(アハンカーラ)」

「先週末も友達とおいしいパン屋さんにいったんだっけ(チッタン)」

 

心はこのようにマナス、ブッディ、アハンカーラ、チッタンをぐるぐる回り続けます。そう考えると、心は自分が思っている以上に毎日忙しく動き回っているんですね。

まとめ

心の構成要素を知り「そもそも心は動き回る性質があるんだ」と分かれば、心を客観視することができて冷静になることもできます。よく混同しがちなのですが、「心=私自身」ではなく、「心は私の道具の一つ」だと考えることが肝心です。そうすれば、感情に支配されることなく、悲しい感情が湧いてきたら「心が悲しい感情へ動いている」と客観視することができ、心をコントロールすることができますよ